この歴史漫画がおもしろい! ~あをによし、それもよし~ 奈良時代のミニマル生活最高!!

あをによし、それもよし

こんにちは。

久しぶりに、最近読んでおもしろかった漫画を書きます。

石川ローズ「あをによし、それもよし」です。


ストーリー

ざっくりとストーリーを書くと、現代人のサラリーマン・山上(やまがみ)さんが、奈良時代にタイムスリップして、奈良時代の歌人・山上憶良(やまのうえのおくら)として生きるという話です。(ざっくりすぎるか)

ミニマリストの山上(やまがみ)さん

山上は、現代を生きているとき、ミニマリストとして生活しておりました。

ミニマリストとは

持っているものをできる限り少なくし、必要最小限の物だけを持ち生活する人のことで、それにより逆に豊かに生きられるという考えを持っています。大量生産・大量消費が当たり前になりつつある現代社会において、新しいライフスタイルかと思います。「ミニマリスト」という単語は、「最小限の」という意味のミニマル(minimal)から派生した造語になります。

山上は、ミニマリストでもかなりのもので、部屋にほとんど何もない、会社の仕事机にも何もないという状況を好み現代で過ごしてきました。

そんな山上が奈良時代にタイムスリップしてはじめに思ったことは、

「ここの生活は最高だ」

ということでした。

元々物がいらないと思っている彼に取って、「物がない」時代の奈良時代は最高の生活環境だったようです。

小野老と出会う

この山上さんが、奈良時代で小野老(おののおゆ、小野妹子の孫でなら時代の役人、のちに歌人としても有名になる)と出会い、山上という名字から「やまのうえ」と間違えられ山上憶良(なりすまし)として生きていきます。

小野老も、悪意なく他人の手柄で昇進を続ける奈良の役人という設定で、いいキャラを出しています。

主人公と気があいますが、現代人と奈良時代人なので話が噛み合いません。この噛み合わなさも面白いです。

あ、小野老はタイトルにもなっている有名な「あをによし・・・」の歌を読んだ人物です。

「あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり」

最近令和の年号で話題になった万葉集に載っています。(もちろん日本人的には昔から超有名な歌集ですが)

奈良時代の、どのあたり?

ちなみに、「奈良時代」は誰でも知っていると思いますが、いまいち歴史年表的に言うとどのあたりかわからないと思いますので書いてみます。

タイムスリップした年は和銅6年(713年)だそうです。

年表的に流れを書いていくと、

【飛鳥時代】
593年~622年 聖徳太子の摂政
・603年 冠位十二階を制定
・604年 十七条の憲法を制定(和を以て貴しとなすのやつ)
・607年 小野妹子などを遣隋使で遣わす(日出処の天子のやつ)

645年 大化の改新

694年 藤原京に遷都

710年 平城京に遷都【奈良時代はじまる】

712年 「古事記」できる

713年 ←いまここ!!

720年 「日本書紀」できる

743年 「墾田永年私財法」成立

752年 奈良の大仏、開眼供養会が実施

794年 桓武天皇による平安京遷都【平安時代はじまる】

になります。

読んでいるとほっこりしてくる

ミニマリストというと、ふだん物にかこまれた生活をしていて、基本買ったものはあまり捨てたくないという考えの私からみると、反対の考え方の人なのですが、山上の奈良時代ライフを見ていると、モノのない生活もいいなあと本気で思ってしまいます。

話自体、殺伐としたことは一切なく、のほほんと展開していくので、軽い意味で心の洗濯になる漫画だと思います。

また、歴史上の人物や出来事などもしっかりと調べていてストーリーに盛り込んでいるので、歴史に興味がある人も楽しみながら読める漫画です。

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