この歴史漫画がおもしろい! 「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」 ファッションデザイナーの祖と称される人物の物語

傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン

こんにちは。

今回は、おすすめの歴史漫画について書きます

磯見仁月「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」(BUNCH COMICS)

です。


傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン 1巻: バンチコミックス

フランス革命前夜のパリで、マリー・アントワネットの寵愛を受け「ファッションデザイナーの祖」と称される女性の物語です。

フランス革命の頃の歴史は、世界史の授業ではもちろん習い、マリー・アントワネット、ルイ16世、その後のナポレオンなどと、有名な人物やトピックスはいっぱい思いつくのですが、私的にはあまりよく知らない時代でした。

ただ、激動の時代であったのは間違いなく、その激動の中で、現代の私たちから見ると、まさに「時の人」になったマリー・アントワネットの寵愛を受けていた「ファッションデザイナー」と聞くだけでも、どんな人物か非常に興味がわきます。

この漫画では、そのローズ・ベルタンと当時のフランスやパリの社会・人間模様・仕立て屋の仕事なども鮮やかに描かれており、大変おもしろい作品です。

フランス革命と、革命前夜のフランスの歴史

さて、物語はフランス革命前夜のフランスではじまります。

この時代の歴史は、あまりよく知らなかったので、調べながらどんな時代だったか簡単に書いてみます。

ブルボン朝

この時代のフランスはブルボン朝でした。またの名を「ルイ王朝」とも言います。国王に「ルイ」がたくさんいたからだそうです。

ブルボン朝は、1589年~1792年まで続き(その後一時復活して1814年~1830年まで続いた)、有名な王様としては、「太陽王」ルイ14世(在位1643年~1715年)がいます。

その後、ルイ15世(1715年~1774年)を経て、この物語の登場人物の一人、ルイ16世(1774年~1792年)に繋がりますので、「太陽王」の時代の末期はローズ・ベルタンの時代とそんなに離れてないんだなと思いました。

フランス革命

ルイ16世の時代に有名なフランス革命が起こります。(漫画ではまだまだ先の出来事です。)

フランス革命は、世界史上でももっとも有名な「革命」の一つですが、あまりにごちゃごちゃし過ぎて正直わけがわかりません。

めちゃくちゃ簡単に書くと、

●ブルボン王朝下のフランスで、絶対王権に反抗する貴族の擾乱からはじまる。

●1789年から全社会層を巻きこんでいく革命に発展し、政治体制も絶対王政→立憲王政→共和制へと移っていく。

●そして、1793年にルイ16世とマリー・アントワネットは処刑。

●1794年に「テルミドールの反動」が起こり、当時実権を握っていたロベスピエールなどが処刑される。

●1799年のナポレオンのクーデターからの帝政につながっていく。

という流れになります。


物語 フランス革命 バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)

このように、当時のフランス&ヨーロッパは混沌とした世の中なのですが、どのようにローズ・ベルタンは歴史の流れとつながっていくのかということも楽しみな部分です。

ストーリー

上記のような動乱が巻き起こる少し前の時代、のちのローズ・ベルタンことマリー・ジャンヌ・ベルタンは、フランスの地方都市アブヴィルで髪結いの仕事をしていました。

物語は、1766年のアブヴィルからはじまります。

アブヴィル

アブヴィルは、フランスの北部にあり、地図でみると、パリのほぼ北にあたり、比較的ベルギー国境やドーバー海峡に近い位置のようです。

ソンヌ川下流域の渡河地点で、中世より交通の要衝であったようです。

マリー・ジャンヌ・ベルタンはアブヴィルで髪結いの仕事をしていましたが、同時に服の仕立ても行っていました。

パリへ上京

当時ベルタンは、自分の仕事に誇りを持って働いていましたが、周りの環境や自分はこのままでいいのか?という葛藤にモヤモヤしていました。

そんなベルタンに「えっ?!」と思う出来事が起こり、その流れで花嫁衣装を作るという仕事の依頼が舞い込みます。(1巻の1話)

その仕事を見事やり遂げ、いろいろと吹っ切れたベルタンは、自分の力を試すために、大都会で流行の発信地パリへ上京します。

そこで、王侯貴族を含めたいろいろな人々と出会い、才能と努力に裏付けられたその実力で、パリ一番の仕立て屋としてのし上がっていきます。

パリで名をあげていくベルタンとコミックス3巻までのトピックス

2020年9月現在、コミックスでは3巻まで発行されていますが、

1巻では、パリへ上京し、当時パリ1番のお針子として名をはせていたマリー・ジャンヌ・べキュー(のちの国王ルイ15世の公妾)のドレスを作成し、パリきっての仕立て屋の高級店トレ・ガランにスカウトされるまでを描き、

2巻では、トレ・ガランで働き始めたベルタンに、大貴族パンティエーヴル嬢の花嫁衣装の仕立ての仕事が舞い込みます。(パンティエーヴル嬢は「太陽王」ルイ14世の曾孫にあたるらしい)

そして3巻では、マリー・アントワネットが本格的に登場します。

ベルタンは歴史的にも有名な人物と関わり合いながら、「傾国の仕立て屋」を目指していきます。


傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン コミック 1-3巻セット

ストーリー以外も様々な見どころがあって面白い

この「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」は、ストーリーがおもしろいのはもちろん、それ以外にもいろいろな見所があります。

歴史好きとしては、やはり、当時の18世紀後半から末にいたるまでのフランスとパリの人々の暮らしや社会が生き生きと描かれているところが大変魅力的だと思います。

ベルタンが田舎から大都会のパリへ上京したとき見たパリの町の夜の明るさ(なんでも当時パリは街灯の多さから「光の都」と呼ばれていたらしい)、パレ・ロワイヤル(ルイ14世がこどもの頃に遊んだ王宮。庭園が一般人にも解放されていた。)などの華やかな建物が並ぶパリの町並みなど都市好きな私からすると興奮する描写がたくさんあります。

そして、ベルタンが就職する「お針子」の仕事がどのような仕事内容なのか、顧客であるパリの貴族たちとのやり取りや、ベルタンが受けた仕事をどう達成していくのかなども作品の魅力の一つです。

さらに、ルイ16世マリー・アントワネットなど歴史上名の知れた人物と、今後どのように関係していくのかなども楽しみですし、人物で言えば、主人公マリー・ジャンヌ・ベルタン(ローズ・ベルタン)と今後も深く関わってくるであろう人物として、

ベルタンの若きときからの盟友にして、のちに「髪型の神様」の異名をとる髪結いレオナール・アレクシス・オーティエや、上述したマリー・ジャンヌ・べキュー(デュ・バリー夫人【ルイ15世の公妾】)なども魅力的な人物として描かれ、ストーリーに深く関わってきます。

このようにおすすめポイントは書ききれないほどあるのですが、歴史好きな人やファッション好きな人、フランス好きな人など様々な人が楽しめる漫画だと思います。



ローズ・ベルタン ─ マリー・アントワネットのモード大臣

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